筑波大学 土地利用研究室 Landuse Laboratory University of Tsukuba

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土地利用研究室を志望する諸君へ

大村謙二郎 教授20世紀は大いなる都市化の時代でした。とりわけ、20世紀の後半は世界的に経済が活況を迎え、経済の発展と都市化が同期して、市街地の拡張、産業用地の増大が進んだ時代です。その中でも日本は、世界的にも類例のない、20年近くの継続的な高度経済成長で、国土の様相、都市の土地利用のあり方を急激に変貌させてきました。

20世紀を通じての都市計画の課題は拡大成長する都市、急変する国土利用のあり方に対して、混乱を防ぎ、成長拡大をいかに秩序づけるかが都市計画の大きな課題でした。その意味では、旺盛な市街地拡張、成長の時代にふさわしい都市計画のあり方を探ることが求められていました。

しかし、日本に典型的に現れているように、総人口の伸びは止まり、減少局面に入り、少子高齢化の急激な進展の結果、人口世帯構造も大きく変化しつつあります。総じて言えば、定常成熟化、衰退、都市縮小と行った現象が先進諸国ではごく当たり前のこととなりつつあります。

例えば、ピーク時には150万戸を記録した新築住宅着工数も、現在では80万台に減少しており、かつてのような新築需要は近い将来期待できないでしょう。同じように新車販売台数もピーク時と比較して大きく減少しており、とりわけ、公共交通の発達した大都市では、若者(新車購入需要層の主体となる)の自動車離れが始まっています。

こういった、現象から推察すると、何となく、都市計画の仕事の領域は減少しつつあるように思われます。確かに、成長拡大時代に端的に象徴されるように都市の外側に向かって、どんどんインフラ整備を行い、新市街地開発を進めるといった意味での都市計画の役割は少なくなってきます。

その意味で、関連する、不動産、建設業界も新規開発需要の減少によって、業態の変化を余儀なくされるでしょう。量の成長拡大を追求あるいは、制御するといった意味での都市計画の役割は少なくなる、場合によっては否定されるとしても、質の高い都市空間、国土の安定的で持続的な利用構造を維持管理するといった意味での都市計画の課題はますます大きくなってくるでしょう。

とりわけ、日本のように20世紀の後半に急激な成長の過程で、様々な問題、ひずみをかかえることになった都市環境ストック、国土ストックをどう再生していくかは都市計画の大きな課題です。また、人類社会が体験したことのない超高齢化社会のフロントランナーとして位置する日本が、どのような形で超高齢社会にふさわしい都市環境、生活空間を作り上げていくかと行った、チャレンジングな課題が存在しており、都市計画の研究課題、調査課題は多様に広がっています。

土地利用研究室は、地区、都市、地域、国土等の様々な空間範囲での計画課題に関心を持って、その解決に取り組もうとする人々の参加を希望します。

固定観念にとらわれず、物事の本質を追究する姿勢、食わず嫌いにならず、必要に応じて、いろいろな都市計画研究のツールを吸収する姿勢、ツールに振り回されない柔軟な思考力を持つ、あるいはそれを持とうとする意欲ある諸君が土地利用研の仲間になってくれることを期待します。

研究、調査のフィールドは、日本国内に限られませんし、時間も現在に限られていません。土地利用研のフィールドは多様で広大です。


2010.03.26

大村 謙二郎



土地利用研究室に入室を希望される学類生・院生の方へ

来年度、土地利用研究室に入室希望者の方は、事前に、研究室の様子や雰囲気などを知るために、
研究室訪問やゼミの見学をしてください。希望者の方は、小野までご連絡くださいますようお願いいたします。

※原則として、見学していない人、入学後に見学に来る人は認めていません。
担当:小野 将平  s1620460●sk.tsukuba.ac.jp (●を@に書き換えて下さい)
最終更新 2016年 4月 27日(水曜日) 16:59